部屋干し用洗剤の選び方|抗菌と消臭はどちらを見るか
部屋干しした洗濯物から、乾いたあとに生乾きのにおいが戻ってくることがあります。
ライオンによれば、そのにおいの正体は衣類に残った汚れとニオイ菌で、グラム陰性菌は部屋干しのような湿った環境で増えやすいとされています。
つまり部屋干し用の洗剤に求める働きは、汚れ落ちと除菌・抗菌の2つです。
花王も、においを防ぐ手立てとして汚れをしっかり落とす・除菌する・抗菌タイプの洗剤や柔軟剤を使う・乾燥を早めるという4点を挙げています。
本記事では、洗剤選びで差が出る抗菌表示の読み方・液体と粉末の使い分け・タイプ別に向いている人・洗剤だけでは届かない部分を解説します。

すまいの四季 編集部
結露・すきま風・凍結・雪・雑草・虫・暑さ・台風まで、季節ごとの住まいの困りごとを市販のグッズで手当てする方法をまとめています。製品の仕様はメーカー公式と公的機関の情報で確認し、確認時点を添えて掲載しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
部屋干し用の洗剤で差が出るのは「抗菌が続くかどうか」
部屋干し向けをうたう洗剤のパッケージには、除菌・抗菌・消臭といった言葉が並びます。
この3つは意味が違い、除菌は洗っている最中に菌を減らす働き、抗菌は洗ったあとに菌が増えるのを抑える働き、消臭はすでに出ているにおいへの働きかけです。
部屋干しで問題になるのは、干している数時間から半日のあいだに菌が増えることなので、洗濯中だけの働きでは足りません。
ライオンのトップ クリアリキッド抗菌は100時間抗菌をうたい、部屋干し臭・干し忘れ臭・戻り生乾き臭を防ぐとしています。
時間の数字が書かれている製品は、洗濯後も働きが続くことを想定した作りだと読み取れます。
ボトルに「除菌」とだけある製品と「抗菌」の表記がある製品では、狙っている場面が違うということです。
ただし抗菌表示があれば干し方を問わないわけではありません。
ライオンは菌を抑える段階を3つに分け、洗濯槽に菌を持ち込まない・洗濯槽や洗濯物に菌を残さない・乾燥中に菌を増やさないとしています。
洗剤が担うのは真ん中の1つで、前後は洗濯前の扱いと干し方の話です。
洗剤を替えてもにおいが残るときは、残り2つのどちらかが抜けています。
液体・粉末・ジェルボールは何が違うのか
液体タイプ
水に溶けやすく、すすぎ残りが出にくいのが液体です。
抗菌をうたう部屋干し向けの製品は液体に多く、ライオンのトップ クリアリキッド抗菌もこのタイプに入ります。
計量キャップで量を加減でき、少量の洗濯にも合わせやすいので、ひとり暮らしで毎日少しずつ洗う使い方に向きます。
襟や袖口の皮脂汚れには、直接塗ってから洗う使い方もできます。
粉末タイプ
ライオンの部屋干しトップ 除菌EXは粉末洗剤です。
粉末は一般にアルカリ性に寄せやすく、皮脂やたんぱく質の汚れを落とす方向に振った処方が作りやすいタイプで、部屋干し臭の元になる汚れ残りを減らしたい場面と相性があります。
一方で水温が低いと溶け残ることがあり、冬場の水道水で洗うときや、すすぎ1回の設定で回すときには、溶け残りが衣類に白く残らないか確かめてください。
ジェルボールタイプ
1回分が包まれていて、計量せずに放り込める形です。
手間は最も少ない代わりに、洗濯物が少ない日に半分だけ使うことができません。
部屋干しで少量ずつ回すことが多い人には過剰になりやすく、逆に家族分をまとめて毎日回す家庭では手数が減ります。
タイプ別に向いている人
| タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 液体・抗菌表示あり | 洗濯後も菌の増殖を抑える設計。溶け残りが出にくい | 乾くのに時間がかかる部屋で干す人。少量ずつ毎日洗う人 |
| 粉末 | 汚れ落としに振った処方が作りやすい。低水温では溶け残ることがある | 作業着や体操着など、皮脂汚れの多い衣類をまとめて洗う人 |
| ジェルボール | 計量不要で1回分が固定 | 毎回まとまった量を洗う家庭。計量の手間を省きたい人 |
| おしゃれ着用(中性) | 生地を傷めにくい方向の処方 | ニットやブラウスを部屋干しする人。ただし抗菌表示は製品ごとに確認が必要 |
向かない組み合わせもはっきりしています。
粉末は、冬に水温の低い水道水で洗い、すすぎ1回で回す使い方だと溶け残りが出ることがあるので、この条件の人は液体のほうが扱いやすいです。
ジェルボールは、1〜2枚だけ夜に洗って室内に干すような使い方だと量が合いません。
おしゃれ着用洗剤は生地を守る方向の処方で、抗菌をうたっているかどうかは製品ごとに違うため、表示を見ないまま部屋干し用の代わりにはできません。
部屋干しの洗剤を替えてもにおいが消えない3つの原因
洗剤を抗菌タイプに替えたのににおいが残るとき、まず疑うのは詰め込み洗いです。
ライオンは洗濯槽や洗濯物に菌を残さないための手立てとして、除菌・抗菌効果のある洗剤を使うことと並べて、詰め込み洗いを避けることを挙げています。
洗濯槽がいっぱいだと水と洗剤が行き渡らず、汚れが残ります。
次に、洗濯機に入れる前の段階です。
着用後の衣類を洗濯槽に入れっぱなしにすると菌が増えるため、ライオンは通気性の良いカゴに入れること、濡れたバスタオルは吊るしておくこと、洗濯槽のフタは開けておくことを挙げています。
ここが崩れていると、洗う時点ですでに菌の多い状態から始まります。
3つ目が乾燥の遅さです。
洗剤の抗菌は菌の増殖を抑える働きなので、乾くまでの時間が長いほど条件は厳しくなります。
原因の切り分け方と手順は部屋干しの臭いが出る原因と対策で解説しています。
柔軟剤と一緒に使うときの考え方
花王は、においを防ぐ手立てのひとつとして抗菌タイプの洗剤や柔軟剤を使うことを挙げています。
柔軟剤側にも抗菌をうたう製品があり、洗剤と組み合わせることはできますが、香りの強い柔軟剤を足せば生乾き臭が消えるわけではありません。においの元になっている菌と汚れが残ったままだと、香りと混ざって別のにおいになります。
柔軟剤は繊維の表面をなめらかにする働きが中心で、製品によっては水を弾く方向に働くため、乾き方に影響することもあります。
量を増やすほど良くなるものではなく、規定量を守ってください。
組み合わせて使ってよい範囲は部屋干しの洗剤と柔軟剤の組み合わせで解説しています。
柔軟剤を入れるかどうかから迷っている場合は、部屋干しに柔軟剤は必要かのほうが判断の材料になります。
洗剤を買う前に確かめる3点
確かめる点は3つあります。ボトルの表示、自宅の洗濯コース、そして干す場所です。
表示が「除菌」か「抗菌」か
洗濯中だけの働きを指す除菌と、洗ったあとの菌の増殖を抑える抗菌では、部屋干しでの意味が違います。
抗菌の時間を数字で書いている製品は、干している間を想定した作りです。
売り場で似た見た目のボトルが並んでいるときは、正面の商品名だけでなく、裏面の用途表示まで読んでください。
すすぎ回数と水温の条件
すすぎ1回で回す設定なら、溶け残りの起きにくい液体のほうが条件に合います。粉末を選ぶ場合、冬場に水温の低い水で洗うなら、少量のぬるま湯で溶かしてから入れるか、洗濯機のお湯取り機能を使うと溶け残りを減らせます。
干す場所の風通し
洗剤の抗菌は時間を稼ぐもので、乾かす働きはありません。
ライオンは、部屋の端ではなく中央や鴨居に干すこと、こぶし大の間隔を開けて風の通り道を作ることを挙げています。
干す場所を変えられないなら、洗剤より先に干す道具のほうが効果があります。
掛けられる量と間隔は部屋干しラックの選び方で解説しています。
洗剤で足りないときに足す順番
洗剤を抗菌タイプに替えて、詰め込み洗いをやめて、干す間隔を空けても乾きが遅いときは、空気を動かすか湿気を抜くかのどちらかを足します。
ライオンは扇風機・衣類乾燥除湿機・浴室乾燥機を挙げていて、この3つは働きが違います。
扇風機やサーキュレーターは洗濯物に風を当てて表面の水分を飛ばすもの、除湿機は部屋の湿度そのものを下げるもの、浴室乾燥機は狭い空間で両方をまとめて行うものです。
すでにサーキュレーターがあるのに乾きが遅い場合は、当てる位置が合っていないことがあります。
風を送る向きと高さは部屋干しのサーキュレーターの向きで解説しています。
エアコンを使う場合、除湿と冷房のどちらを回すかで結果が変わるので、エアコンで部屋干しを乾かす方法を読んでから設定を決めてください。
原因が絞りきれないときは部屋干しが乾かないときに見る3つの条件で手順を解説しています。
よくある質問
部屋干し用の洗剤は普通の洗剤より高いですか
部屋干し向けをうたう製品は抗菌成分を含むぶん、同じブランドの標準的な洗剤と価格帯が異なることがあります。実際の価格は店舗と時期で変わるので、売り場で1回分あたりの使用量と内容量を見比べて判断してください。
部屋干し用の洗剤を外干しに使っても問題ありませんか
使えます。
抗菌をうたう製品は、洗ったあとに菌が増えるのを抑える作りなので、外干しでも不都合はありません。
天候が変わって取り込みが遅れたときにも同じ働きが続きます。
粉末と液体を混ぜて使ってもいいですか
1回の洗濯で2種類の洗剤を同時に入れる使い方は、各製品の想定した濃度から外れるため勧められません。
汚れの種類で使い分けたい場合は、洗濯の回ごとに分けてください。
なお塩素系のカビ取り剤は洗濯洗剤とはまったく別の製品で、ジョンソンは酸性タイプや食酢と混ざると有害な塩素ガスが発生するとして、単独で使うよう案内しています。
洗剤の量を多めに入れればにおいは減りますか
減るとは限りません。
規定量を超えるとすすぎで落ちきらず、衣類に洗剤が残ることがあります。
残った洗剤は汚れと同じく菌の栄養になり得るので、量は製品表示に従ってください。
洗濯槽の掃除もにおいに関係しますか
関係します。
ライオンは菌を抑える最初の段階として、洗濯槽に菌を持ち込まないこと、洗濯槽のフタを開けておくことを挙げています。
洗った直後の衣類からにおうなら、衣類側ではなく洗濯槽側を疑ってください。
まとめ
部屋干しの洗剤選びは、ボトルの表示が除菌どまりか抗菌まで書かれているかを見るところから始まります。抗菌の時間が数字で書かれている製品は干している間を想定した作りで、少量ずつ毎日洗うなら液体、皮脂汚れの多い衣類をまとめて洗うなら粉末という分け方になります。
ただし洗剤が担うのは、菌を抑える3段階のうち真ん中だけです。
洗う前にカゴへ入れておくこと、詰め込み洗いをやめること、干す間隔を空けて風を通すことが揃って、はじめて洗剤の抗菌が時間を稼げます。
ぜひ本記事のタイプ別の比較表と購入前に確かめる3点を参考に、自宅の洗濯コースと干す場所に合う1本を選んでください。



