雨樋のパイプの選び方|縦樋の径と長さの測り方と合わせ方
ホームセンターの雨樋コーナーには、断面が半円のものと角張ったものが並び、どちらも「雨樋パイプ」の名前で売られています。
ただ、パイプという呼び方は部材の正式な名前ではありません。
雨樋は軒先で水を受ける軒とい(のきとい)、水を集める集水器、地上へ下ろす竪とい(たてとい)の3部材でできていて、円筒形のパイプに見えるのは竪といのほうです。
軒といは半丸・角型といった断面の形で分かれ、メーカーはシリーズ単位で継手や金具まで組み合わせて設計しています。
パナソニックのシビルスケア PC77とジェイスケア PJ70のように、見た目が近くても品番の違うものはつながりません。
本記事では、3部材の呼び分け・断面の形の4タイプ・屋根面積からのサイズの決め方・規格が書かれている場所を解説します。

すまいの四季 編集部
結露・すきま風・凍結・雪・雑草・虫・暑さ・台風まで、季節ごとの住まいの困りごとを市販のグッズで手当てする方法をまとめています。製品の仕様はメーカー公式と公的機関の情報で確認し、確認時点を添えて掲載しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
「雨樋のパイプ」は軒とい・集水器・竪といのどれを指すのか
積水化学の製品情報では、住宅用の雨樋は軒先で受ける軒とい、集めた水を落とす集水器、地上へ下ろす竪といの3つが基本の構成とされています。
売り場やネット通販で「雨樋パイプ」「雨樋 縦パイプ」と表記されているものは、このうち竪といを指している場合がほとんどです。
丸い筒の形をしていて、長さ単位で売られているためパイプと呼ばれやすいのだと考えられます。
軒といは筒ではなく樋の形をしている
軒といは屋根に沿って横向きに取り付ける部材で、上が開いた樋の形です。
断面が半円のものを半丸、側面が平行なものを角型と呼びます。
つまり「パイプが割れた」「パイプから水があふれる」という同じ言い方でも、丸い竪といの話なのか、上が開いた軒といの話なのかで買うものが変わります。
部材を注文する前に、水が漏れているのが横向きの部材か縦向きの部材かを先に決めてください。
集水器は軒といと竪といをつなぐ部材
集水器は軒といの水を受けて竪といへ落とす漏斗(ろうと)状の部材で、軒とい側の形状と竪とい側の径の両方に合っている必要があります。ここが合わないと、軒といと竪といを単品でそろえても接続できません。
半丸・角型・特殊型・くさり型という4タイプの断面
積水化学は住宅用雨樋の形状を、半丸・角型・特殊型・くさり型の4タイプに大別しています。このうち住宅で見かける機会が多いのは半丸と角型の2つです。
| 形状 | 断面と作り | 選ばれる場面 |
|---|---|---|
| 半丸 | 断面が半円。塩ビ雨といの初期からの標準形状で、構造が単純 | 構造が単純なぶん他の形状より安く、多くの住宅で採用されている(積水化学)。既存が半丸なら同じ半丸で探す |
| 角型 | 側面が平行な平面的なデザインで、底面に座面の窪みがある | 直線的な外観に合わせたいとき |
| 特殊型 | メーカーが独自に設計した断面 | 外観のデザインを優先し、同じメーカーの部材でそろえられるとき |
| くさり型 | 形状分類のひとつとしてメーカーが挙げている | 竪といの見え方を変えたいとき |
交換で部材を買う場合、この4タイプのうちどれかを選ぶという話にはなりません。
すでに付いている形に合わせる以外の選択肢がないためです。
半丸と角型の見分け方や寸法の測り方は雨樋の種類と選び方で解説しています。
塩ビ製の雨樋パイプが標準になっている理由
住宅用として売られている雨樋の多くは硬質塩化ビニル樹脂(塩ビ)製です。積水化学は塩ビ雨といの特徴として、表面が滑らかで汚れが付きにくいこと、金属のように錆びないこと、形状と色の選択肢が多いこと、軽量で施工性が高いことを挙げています。
この4つのうち、自分で部材を買う読者にとって意味が大きいのは軽さと選択肢の多さです。
軽ければ脚立の上で片手で保持できますし、同じ形状で色違いが用意されていれば既存の外壁に合わせられます。
一方で塩ビは紫外線を浴び続ける屋外の部材であり、何年もつかは日当たりや地域の気候で変わるため、年数を目安として書くことはできません。
同じ屋根でも南面だけ色が抜けているという状態は起こります。
屋根の面積と降雨量から雨樋パイプのサイズを決める順序
積水化学は雨樋を選ぶ基準として、屋根の総面積と地域の降雨量に見合う排水能力を挙げています。
新しく付ける場合はこの順序で決めます。
まず屋根の総面積を出し、その屋根に降る雨の量を受けられる排水能力の軒といを選び、次にその軒といに対応する集水器と竪といをシリーズの中から選びます。
排水能力は品番ごとにメーカーのカタログに記載があるので、面積と地域を伝えて取扱店に確認してください。
既存の雨樋を部分交換するなら、計算は要りません。
現物と同じ品番を探すのが唯一の答えになります。
品番が分からないときは、外壁に付いている金具の受けの形と、竪といの外径を測った実寸を手がかりにします。
軒といを支える金具は形状ごとに専用品で、半丸用の金具に角型の軒といは載りません。
金具側の種類と取り付け間隔は雨樋の金具の選び方で解説しています。
見た目が同じでも互換しないのは、メーカーがシリーズで設計しているから
パナソニックは住宅用雨樋として、Archi-spec TOI、メタリック調軒といシリーズのFS-II型とFS-I型、グランスケア PGR60、シビルスケア PC77とPC50、ジェイスケア PJ70、パラスケア U105、たてとい60、KAKU RK85を公開しています。
数字が付いた品番が並ぶため、同じ数字なら他社とも合うように見えますが、これらは軒とい・集水器・竪とい・継手・金具までをひとつの組み合わせとして設計したシリーズの名前です。
そのため、竪といの外径が指で触って同じくらいに感じても、継手の内側の作りが違えば差し込んだときに止まりません。
ホームセンターで汎用品を買う場合も、既存が特定メーカーのシリーズなら接続部だけ純正品が必要になることがあります。
パナソニックの品番の読み方と互換の見分け方はパナソニックの雨樋の特徴で解説しています。
サイズの合わない雨樋パイプを買うと起きること
径や形状を確かめずに買った場合、実害は接続部に出ます。
継手に竪といが入らなければその日の作業は終わりませんし、無理に押し込んで斜めに入った状態では、雨が降るたびに継ぎ目から水が漏れて外壁を濡らします。
細すぎる竪といを選ぶと、屋根から流れ込む落ち葉や砂が集水器の下で滞留しやすくなります。
掃除の道具が通るかどうかも径で変わる
竪といの内側に詰まりができたときは、上または下からワイヤーを差し込んで押し出します。
径が細い竪といではワイヤーの太さと曲がりの余裕が足りず、途中の曲がり部分で先端が進まなくなります。
入れる向きと長さの考え方は雨樋の詰まりをワイヤーで取る方法で解説しています。
落ち葉の量が多い立地では、詰まってから対処するより雨樋掃除のやり方で解説している時期ごとの掃除のほうが手間が小さくなります。
規格が書かれているのはカタログの品番と現物
呼び径や排水能力は、パッケージの表面ではなくメーカーのカタログと技術情報に載っています。
手元で確認できるのは、継手や金具に刻印された品番、袋に貼られた型番シール、そして既存の部材そのものです。
部材を外す前に品番の刻印を写真に撮っておくと、売り場で同じ表記を探せます。
2階の軒といは脚立では届かず、屋根に上る作業になるため、届かない高さの部材は業者に見てもらってください。
よくある質問
雨樋の竪といだけを交換できますか
継手で区切られた区間ごとに交換できる場合があります。
ただし既存がメーカーのシリーズ品だと継手の作りが合わず、竪といだけ替えても接続できないことがあります。
外す前に品番の刻印を確認してください。
雨樋のパイプは塩ビと金属のどちらを選べばいいですか
市販の住宅用は塩ビ製が中心で、錆びない・軽い・形状と色の選択肢が多いという性質から、自分で交換する前提なら塩ビの汎用品を探すことになります。金属製の雨樋が付いている家では、同じ素材と形状の部材を取扱店に相談してください。
ホームセンターで雨樋のパイプは買えますか
半丸の汎用部材は住宅資材の棚に並ぶことがありますが、取扱いは店舗や時期によって変わり、特殊型や特定メーカーのシリーズ品は店頭にないこともあります。どの部材までそろうかは雨樋の部材はホームセンターで揃うかで解説しています。
まとめ
雨樋パイプという呼び方は竪といを指すことが多く、上が開いた軒といとは別の部材です。
新設なら屋根の総面積と地域の降雨量から排水能力を決め、交換なら現物の品番に合わせるのが確実な進め方になります。
呼び径が同じに見えても、メーカーがシリーズ単位で継手や金具まで設計しているため、品番が違うものは接続できません。
ぜひ本記事の4タイプの断面の表と、品番の確認場所を参考に、手元の雨樋がどの部材のどの形状なのかを確かめてから注文してください。
