マットレスは圧縮袋に入る?厚みと素材で変わる判断の目安
秋の衣替えで来客用のマットレスを押入れにしまおうとすると、上段の奥行きが足りず、襖(ふすま)が閉まらないことがあります。
薄くしたくて圧縮袋を探すところですが、中身がポケットコイルのマットレスは圧縮袋に入れないでください。
不織布に包まれた金属のスプリングが押しつぶされて変形すると、元の形には戻りません。
圧縮して保管できるのは、芯材がウレタンフォームや化繊わたの折りたたみタイプに限られ、それでも製品によっては厚みが戻らないことがあります。本記事では、マットレスの中身ごとの向き不向き・押入れに入れる前の乾かし方・圧縮袋のサイズと吸い口の選び方を解説します。

すまいの四季 編集部
結露・すきま風・凍結・雪・雑草・虫・暑さ・台風まで、季節ごとの住まいの困りごとを市販のグッズで手当てする方法をまとめています。製品の仕様はメーカー公式と公的機関の情報で確認し、確認時点を添えて掲載しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
押入れにしまう前に、マットレスを圧縮袋に入れて起きること
押入れの上段は奥行きと高さが決まっているため、厚みのあるマットレスを1枚入れるだけで一段が埋まります。
半分の厚みにできれば来客用の毛布まで同じ段に入る、という計算になるので圧縮袋の出番に見えます。
ところがマットレスの圧縮では、衣類や羽毛布団とは違うことが起きます。
厚みが戻らないことがある
ウレタンフォームは押しつぶされた形のまま時間が経つと、空気を入れても元の厚みまで復元しにくくなります。
低反発タイプは体の形に沈み込む柔らかさを出すために気泡の構造が細かく、へたった跡が残りやすい素材です。
厚みが1割減っただけでも、床からの硬さが伝わって寝心地が変わります。
衣類やタオルケットのように「圧縮しても畳めば戻る」とは考えないでください。
乾かさずに閉じると湿気ごと密閉される
マットレスは寝汗を吸い、押入れに置いている間も周囲の湿気を吸います。
その状態で空気を抜いて密閉すると、中の水分は外へ逃げずに芯材の中で留まります。
秋から翌年の春まで半年ほど閉じたままにする保管では、カビの生えた面が袋越しに黒く見える状態になることがあります。
空気を抜く前の乾燥が、圧縮そのものより大事な工程です。
コイル入りマットレスは圧縮袋に入れない
ポケットコイルとボンネルコイルは、いずれも金属のスプリングを並べて荷重を受ける構造です。
圧縮袋で四方から空気を抜くと、スプリングは真上からではなく斜めに押されて倒れます。
倒れたコイルは復元せず、ばね同士が擦れる音が出たり、寝たときに一部だけ沈む状態になります。
詰め物の側地(がわじ)も引っ張られて破れることがあります。
コイル入りかどうかは、持ち上げたときの重さで見当が付きます。
大人が片手で扱えない重さなら、まず側面に縫い付けられた品質表示のラベルを見てください。
充填物の欄に「鋼」「スプリング」「コイル」と書かれていれば、圧縮袋での保管は選択肢から外れます。
使わない時期は立てて壁際に置き、床との間に少し隙間を作って風が通る状態にしてください。
ほこりが気になるなら通気性のある不織布カバーをかけるほうが、ビニールで包むより湿気が溜まりません。
ウレタンマットレスは製品の表示で判断する
三つ折りの敷きマットレスや折りたたみタイプは、芯材によって圧縮への耐え方が変わります。
高反発ウレタンは復元力が比較的高い一方、低反発ウレタンは圧縮ひずみが残りやすい素材です。
ラテックス(天然ゴム由来)は折り曲げに弱く、強く折った線に沿って亀裂が入ることがあります。
ポリエチレン樹脂を絡めたファイバー系は、水洗いできる代わりに熱と圧に弱いため、圧縮よりも立てて乾かす保管に向きます。
判断の根拠にすべきなのは素材の一般論より、その製品に付いている取扱表示です。
「圧縮しての保管はしないでください」「長時間の折り曲げを避けてください」と書かれていれば、圧縮袋は使わないでください。
通販で届いたときにロール状に巻かれて圧縮梱包されていた製品もありますが、工場で管理された短期間の圧縮と、家庭で半年以上閉じたままにする保管は条件が違います。
届いたときの状態を根拠に「圧縮しても平気」とは考えないほうが無難……ではなく、表示に書かれていない扱いをすると保証の対象から外れることがあります。
秋の晴れた日に乾かしてから圧縮袋を閉じる
しまう作業は、湿度が下がって風のある日に合わせてください。
梅雨明けの蒸し暑い日や雨上がりの日に袋を閉じると、そのときの湿った空気ごと密閉されます。
手順は、室内か日陰でマットレスを立てて両面に風を当て、扇風機かサーキュレーターを斜め下から回して数時間置く、という流れで足ります。
ウレタンは直射日光で黄ばみや劣化が進むため、真夏の南向きベランダに長く干すのは向きません。
圧縮袋に衣類用の防虫剤を一緒に入れるときは、薬剤のタイプを揃えてください。
エステーは、無臭のピレスロイド系はどの薬剤とも併用できる一方、パラジクロルベンゼン・ナフタリン・しょうのうを使った製品同士を併用すると溶けて衣類にシミができることがあるとしています。
同じ押入れで衣類の防虫剤を使っている場合は、何を入れているかを確認してから足してください。
薬剤ごとの交換時期の目安は、衣類の防虫剤の選び方で解説しています。
圧縮袋のサイズと吸い口は、マットレスの面積で選ぶ
先に測るのは、三つ折りにした状態の縦・横・厚みの3つです。
マットレスは畳んでも面積が大きく、布団用の圧縮袋に斜めに入れると角が袋の隅に届かず、そこに空気が残ります。
袋の内寸がマットレスの畳み寸法より大きく、かつ余りすぎないものを選ぶと、空気を抜いたときに全面が均等に薄くなります。
二つ折りしかできない硬めのウレタンなら、畳んだ長辺が入る細長い形状を探してください。
避けたほうがよい圧縮袋の仕様
面積の大きい圧縮袋で困るのは、ファスナーの長さです。
長い口を最後まできっちり閉じるのは力が要り、閉め残しが1か所でもあると翌朝には膨らんでいます。
スライダーが1個だけの大判より、口の構造が二重になっているものや、バルブから空気を抜く方式のほうが扱いやすくなります。
掃除機のノズルを差し込む方式では、手持ちのノズル径が合うかどうかも確認してください。
方式ごとの手間の差は布団圧縮袋の選び方で解説しています。
掃除機を出すのが面倒な場所で作業するなら、掃除機不要の圧縮袋の仕組みで扱っている手押しタイプも候補になります。
100円ショップの圧縮袋は衣類向けの小さめサイズが中心で、マットレスが入る大判はサイズ展開が限られます。
店頭で迷ったときはダイソーの圧縮袋は布団に使える?でサイズ展開と向いている中身を解説しています。
しまう場所と、シーズン中に開ける間隔
圧縮したマットレスは、押入れなら上段に置いてください。
湿気は下に溜まるため、床に直置きすると袋の外側に結露が付き、周りの布団まで湿ります。
下段に置くしかないときは、すのこを1枚敷いて床から浮かせると空気が通ります。
平置きで重ねる場合は、圧縮袋の角が荷重で潰れて穴が空くことがあるので、一番下に重いものを置かないでください。
半年しまいっぱなしにするより、真冬に一度開けて空気を入れ替えるほうが、カビとへたりの両方を確かめられます。
開けたついでに立てて風を当て、また閉じれば作業は30分ほどで終わります。
押入れ全体の入れ替え手順は衣替えの収納のコツで解説しています。
なお、保管していた寝具を使ったあとに咳やくしゃみが出るなど体調の変化がある場合は、自分で判断せず医療機関に相談してください。
よくある質問
三つ折りのウレタンマットレスなら圧縮袋に入れて大丈夫ですか
製品の取扱表示に圧縮保管を禁じる記載がなければ候補になります。
ただし低反発タイプは厚みが戻りにくく、高反発でも完全に元通りになるとは限りません。
来客用で年に数回しか使わないものと、毎晩使う主寝具では、へたりの影響の大きさが違います。
圧縮袋から出したマットレスはどのくらいで戻りますか
素材と圧縮していた期間で変わるため、日数は言い切れません。
出したらすぐ敷かず、広げて立てかけて風を通しながら様子を見てください。
1日以上置いても片側だけ沈んだままなら、その厚みが戻らない状態になっている可能性があります。
圧縮袋がすぐに膨らんでしまうのはなぜですか
多くはファスナーの閉め残しと、袋の内側に挟まったほこりや繊維です。
閉じる前に口の内側を指でなぞって拭き、スライダーを2往復させてください。
芯材に含まれていた空気が時間をかけて出てくることもあるため、閉じた翌日にもう一度抜くと落ち着きます。
圧縮袋の代わりにベッド用のマットレスを立てて置くだけでもいいですか
コイル入りなら、立てて風を通す保管のほうが構造を傷めません。
壁にぴったり付けず数センチ離し、月に一度は向きを変えて両面に空気が当たるようにしてください。
倒れると危険なので、子どもやペットが近づく場所は避けてください。
まとめ
マットレスを圧縮袋に入れるかどうかは、中身がコイルかウレタンかで分かれ、ウレタンでも取扱表示に圧縮保管の禁止が書かれていれば使えません。
使える場合も、乾かしてから閉じること、三つ折りの寸法に合ったサイズを選ぶこと、シーズン中に一度開けることの3点で仕上がりが変わります。
ぜひ本記事の中身別の向き不向きと圧縮袋の選び方を参考に、押入れの空きと寝心地の両方を守れる方法を選んでください。



