ペアガラスでも結露するのはなぜ?内部結露との見分け方

ペアガラスの窓なのに、朝カーテンを開けると室内側のガラスが曇り、下枠に水が溜まっています。
ペアガラスは2枚の板ガラスの間に6mmや12mmの中空層をはさんで1枚に組んだ複層ガラスで、見積書やサッシのラベルでは「3mm+A6mm+3mm」のようにガラス厚・中空層・ガラス厚を並べた形で書かれます。
この数字と記号が読めると、自分の窓が単なる空気層タイプなのか、Low-E膜(熱を反射する金属膜)付きの高断熱タイプなのかまで分かります。
同じ「ペアガラスの結露」でも、水滴が室内側の表面に出ているのか、2枚のガラスの間に出ているのかで、原因も手当ても別物になります。本記事では、ガラス構成の表記の読み方・水滴が出る位置による原因の切り分け・断熱シートを貼る前に見る対応ガラス表示を解説します。

すまいの四季 編集部
結露・すきま風・凍結・雪・雑草・虫・暑さ・台風まで、季節ごとの住まいの困りごとを市販のグッズで手当てする方法をまとめています。製品の仕様はメーカー公式と公的機関の情報で確認し、確認時点を添えて掲載しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
ペアガラスは2枚のガラスと乾燥した中空層で1枚に組まれた窓
ペアガラスは複層ガラスの通称で、2枚の板ガラスの周囲をスペーサーと呼ばれる枠材でつなぎ、その内側に密閉された空気の層を作った構造です。
スペーサーの中には乾燥剤が入っていて、出荷時点では中空層の空気が乾いた状態に保たれています。
周囲は封着材で塞がれているため、中空層は外気とも室内ともつながっていません。
この空気の層が熱を伝えにくくするので、室内側のガラス表面が外気で冷やされにくくなり、1枚ガラス(単板ガラス)の窓に比べて表面に水滴が出にくくなります。
ただし出にくいだけで、室内の湿度が高ければペアガラスの表面にも結露します。
断熱の役目を担っているのはガラスそのものではなく中空層なので、厚みの数字を読むときも、真ん中の数字がいちばん意味を持ちます。
「3mm+A6mm+3mm」は左からガラス厚・中空層・ガラス厚
構成表記は、室内側ガラスの厚み、中空層の厚み、屋外側ガラスの厚みを「+」でつないだ形が基本です。
3mm+A6mm+3mmなら総厚12mm、3mm+A12mm+3mmなら総厚18mmになります。
窓の溝に収まる総厚はサッシ側で決まっているため、同じサッシで中空層だけを厚くすることはできません。
| 表記 | 意味 | 読み取れること |
|---|---|---|
| A6・A12 | 中空層が6mm・12mmで、中身は乾燥空気 | 数字が大きいほど熱を伝えにくい構成 |
| Ar・アルゴン | 中空層にアルゴンガスを封入 | 空気入りより断熱を高めたタイプ |
| Low-E | 2枚のうち片面に薄い金属膜あり | 断熱シートやフィルムの対応可否を必ず確認する対象 |
| FL | 透明なフロート板ガラス | 平滑ガラス用のシートが候補になる |
| 型板・すりガラス | 片面に凹凸のあるガラス | 凹凸ガラス用のシートを選ぶ |
| 網入り | ガラス内にワイヤーが入る防火用 | 熱割れの恐れがあり、貼れない製品が多い |
数字の単位を取り違えないでください。
mmで書かれているのはガラスと中空層の厚みで、窓の大きさや発注寸法とは別の数字です。
ガラス面の実寸は、シートを買うときに別途メジャーで測ります。
ペアガラスの結露は、出ている位置で原因が3つに分かれる
水滴がどこに付いているかを、指で触って確かめてください。室内側から拭いて消えるなら室内側の表面結露、外からしか拭けないなら屋外側の表面結露、どちらから拭いても消えないなら2枚のガラスの間で起きた内部結露です。
室内側の表面が濡れている場合
室内の水蒸気が、外気で冷やされたガラス面に触れて水に戻った状態です。
加湿器、洗濯物の部屋干し、開放型のストーブ、就寝中の人の呼気などで室内の湿度が上がると、ペアガラスでも表面温度が露点を下回って水滴が出ます。
カーテンを閉め切っている窓は、カーテンとガラスの間の空気だけが冷えて結露が増えやすい場所です。
原因が湿度側にあるのか窓側にあるのかの切り分けは、窓の結露がひどい原因と対策で解説しています。
屋外側の表面が濡れている場合
晴れた朝に屋外側のガラスだけが濡れるのは、放射冷却で外面が冷え、屋外の空気中の水分が付いた状態です。
室内側に水は出ていないので、室内の結露対策グッズを増やしても変わりません。
放っておいて問題のない現象で、日が昇れば乾きます。
ガラスとガラスの間が曇っている場合
内部結露で、封着材の劣化などで中空層に湿気が入り込んだ状態です。拭いても取れず、乾いた日に薄くなって寒い朝に濃くなるという出方をします。
ペアガラスの内部結露は市販グッズでは止められない
中空層は密閉されているため、室内側からシートを貼っても、スプレーを吹いても、内部に入り込んだ湿気は抜けません。
乾燥剤も吸える量に限りがあり、いったん曇り始めた複層ガラスは元に戻らないと考えてください。
白い曇りやうろこ状の跡が中に残っているなら、ガラスユニットの交換かサッシごとの交換が前提になります。
新築や購入から間もない住宅であれば、内部結露は保証の対象になっていることがあります。
引き渡し時の書類に複層ガラスの保証年数が書かれていることが多いので、施工会社かサッシメーカーの相談窓口に、サッシに貼られた型番ラベルの写真を添えて問い合わせてください。
自分で封着部をコーキングで塞ぐような補修は、中空層の湿気を閉じ込めるだけで改善しません。
ペアガラスに断熱シートを貼る前に、パッケージの対応ガラス表示を見る
市販の窓用断熱シートやフィルムには、複層ガラス・網入りガラス・Low-E複層ガラスへの使用を認めていない製品があります。
ガラス面に熱がこもって温度差が大きくなり、熱割れを起こす恐れがあるためです。
買う前にパッケージ裏面か商品ページの「使用できないガラス」欄を読み、そこに複層ガラスの記載があるかどうかを確認してください。
ここを飛ばすと、結露は減らないのにガラスにひびが入るという最悪の結果になります。
貼れる製品を選べたら、次はガラス表面の形状で絞ります。
ニトムズは平滑ガラス用の粘着断熱シートと凹凸ガラス用のシートを別製品として展開していて、型板ガラスに平滑用を貼っても密着しません。
霧吹きの水で貼る水貼りタイプは剥がしやすく、賃貸で原状回復を気にする場合に向きます。
同社の窓ガラス透明断熱フィルムのように、窓に貼って二重ガラス構造を作り、シリカゲルで内部の結露を抑えるとしている製品もあります。
吸水と断熱のどちらを優先するかの考え方は、結露防止シートの選び方で解説しています。
ガラス面に何も貼りたくない場合は、アサヒペン「結露の水だれ防止スプレー 防カビプラス」やプロスタッフ「窓ガラス用 結露の水だれ防止スプレー」のように、水滴を小さく保って下枠への水だれを防ぐ製品もあります。
どちらも結露そのものを止める製品ではなく、効果が続く間は塗り直しが前提です。
持続の目安と塗り方は結露防止スプレーの使い方で解説しています。
ペアガラスの構成と実寸はサッシのラベルとガラスの角で確認できる
確認先は3か所です。
まずサッシの縦枠に貼られたメーカーのラベルに、製品名と品番が書かれています。
次にガラスの角近くのスペーサー部分に、メーカー名やLow-Eの表示、製造年が刻印されていることがあります。
そして新築時の引き渡し書類や、リフォーム時の見積書には「3mm+A12mm+3mm」のような構成表記が残っています。
ガラスが複層かどうかを手早く見るなら、窓際でライターやペンライトの光を斜めから当ててください。
映り込む光の像がガラスの枚数ぶんだけ並ぶので、単板なら2つ、複層なら4つ見えます。
像のひとつだけ色味が違えばLow-E膜付きの可能性があります。
シートを買うときに要る数字は、この構成表記ではなくガラス面の実寸です。
縦横をゴムパッキンの内側で測り、必要な枚数を計算してから売り場へ行ってください。
窓まわり全体をどう固めるかは、窓の寒さ対策の使い分けで解説しています。
よくある質問
ペアガラスなのに結露するのは不良品ですか
室内側の表面が濡れるだけなら不良ではありません。
ペアガラスは表面温度が下がりにくい構造ですが、室内の湿度が高ければ露点に達して水滴が出ます。
加湿器の設定を下げる、洗濯物の部屋干しを別室にする、朝に数分の換気を入れるといった湿度側の手当てと、窓側の断熱を合わせて考えてください。
一方、拭いても消えないガラス内部の曇りは封着部の劣化なので、施工会社かサッシメーカーに相談してください。
ペアガラスに断熱シートを貼っても大丈夫ですか
製品によって異なります。
複層ガラス不可と書かれた製品を貼ると熱割れの恐れがあるため、パッケージの使用できないガラスの欄を必ず読んでください。
複層ガラス対応とある製品でも、網入りガラスやLow-E複層ガラスは対象外になっていることがあります。
判断に迷ったら、ガラスに直接貼らずにカーテンや吸水材で対処するほうが安全です。
下枠に溜まる水だけでも先に止められますか
吸水タイプの製品で受け止める方法があります。
ニトムズの結露吸水断熱パネルのように、吸水と冷気の遮りを兼ねて吸着式で貼り直せるものもあり、サッシや木枠のカビを抑える目的なら現実的な手当てです。
幅の選び方と交換の目安は、結露吸水テープとシートの違いで解説しています。
まとめ
ペアガラスの結露は、まず水滴の位置を確かめるところから始まります。
室内側の表面なら室内の湿度とガラス面の冷えの問題なので、換気と吸水材、対応表示を確認したうえでの断熱シートで手当てできます。
ガラスの間が曇っているなら市販グッズでは戻らないため、型番ラベルを控えて施工会社かメーカーへ相談してください。
買い物に必要な数字は構成表記ではなくガラス面の実寸で、選ぶときに見るのはパッケージの対応ガラス欄です。
ぜひ本記事の構成表記の一覧と位置別の切り分けを参考に、自分の窓に合う一手を選んでください。





