網入りガラスに断熱シートは貼れる?熱割れの仕組みと対応品

窓ガラスの中に細い針金が菱形や格子状に走っている窓は、網入りガラスです。
市販の窓用断熱シートやフィルムのパッケージには「使用できないガラス」という欄があり、そこに網入りガラスが挙げられている製品が少なくありません。
理由として挙げられるのは熱割れで、日射でガラス面に温度差が生まれたときに、シートが熱を閉じ込めて割れの引き金になるおそれがあるためです。
ただし「網入りガラスには何も貼れない」という単純な話でもなく、対応の可否は貼り方(水貼りか粘着か)と製品ごとの表示で分かれます。本記事では、網入りガラスの見分け方・パッケージの対応表示の読み方・貼らずに冷気と結露を抑える手段を解説します。

すまいの四季 編集部
結露・すきま風・凍結・雪・雑草・虫・暑さ・台風まで、季節ごとの住まいの困りごとを市販のグッズで手当てする方法をまとめています。製品の仕様はメーカー公式と公的機関の情報で確認し、確認時点を添えて掲載しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
網入りガラスは、中の金網で火災時の飛散を防ぐ防火用のガラス
網入りガラスは、板ガラスの中に金網を封入したガラスです。火災の熱でガラスが割れても網が破片をつなぎ止め、炎や煙の通る開口ができにくくなるため、隣家との距離が近い側の窓、共用廊下に面した窓、マンションのベランダまわりなどに使われています。
見分け方は室内側から眺めるだけで済みます。
斜めの線が菱形に交差しているものはクロスワイヤー、縦横まっすぐの格子になっているものは角網(かくあみ)と呼ばれます。
縦線だけが等間隔に並んでいるものは線入りガラスで、こちらは防火設備としての扱いが網入りガラスとは違いますが、ガラスの中に金属が入っているという点は同じです。
断熱シートの対応表示では、網入りと線入りがまとめて「使用できないガラス」に書かれていることがよくあります。
性能の面で押さえておきたいのは、網が入っていても断熱性が上がるわけではないという点です。
厚みが1枚ぶんの単板ガラス(ガラス1枚の窓)と同じ構造なので、冬は表面が外気に近い温度まで冷えて、室内の湿気が水滴になります。
窓を替えずに手当てしたい読者が最初にたどり着くのが断熱シートで、そこでパッケージの注意書きに引っかかるという流れです。
結露そのものの原因整理は結露対策の選び方で解説しています。
網入りガラスで熱割れが心配されるのは、日射の熱とワイヤーの錆が重なるから
熱割れは、1枚のガラスの中に大きな温度差ができたときに起こる破損です。
ガラスの中央は日射で温まる一方、サッシの溝に差し込まれた周辺部(エッジ)は温まりにくく、膨張の差で引っ張られたエッジから割れが始まります。
断熱シートやフィルムを貼ると、ガラスに吸収された熱が室内側へ逃げにくくなり、この温度差が大きくなる方向に働きます。
網入りガラスがとくに注意されるのは、条件がもう1つ重なるためです。
ガラスを切った切断面ではワイヤーの端が露出しており、そこに結露水が触れ続けると錆びて膨らみ、その部分からひびが走ることがあります。
金網とガラスの膨張率の違いもあり、同じ日射条件なら単板ガラスより不利になると考えられています。
色の濃いシートや金属膜で日射を跳ね返すタイプの遮熱フィルムは熱を持ちやすく、網入りガラスでの使用を明確に断っている製品もあります。
割れるかどうかは方位・庇の有無・シートの色や厚み・ガラスの寸法で変わるため、「貼れば割れる」とも「大丈夫」とも言えません。判断の材料になるのは製品表示だけです。
断熱シートのパッケージは「使用できないガラス」欄を最初に読む
表示が書かれている場所
窓用の断熱シートやフィルムは、裏面か側面に「使用できるガラス」「使用できないガラス」の欄を持っています。
ここに、透明平滑ガラス・型板ガラス・網入りガラス・複層ガラス・Low-E複層ガラス(金属膜つきの複層ガラス)・強化ガラスなどが○×で並びます。
通販で買う場合は商品ページの仕様表か、パッケージ裏面の画像を拡大すると同じ表が確認できます。
画像が小さくて読めないときは、メーカー公式サイトの製品ページに同じ注意書きが載っていることが多いので、そちらを見てください。
網入りの記載が見つからないとき
使用できるガラスの一覧に網入りガラスが入っておらず、使用できない側にも書かれていない製品があります。
この場合は「可」と読まず、メーカーの問い合わせ窓口で確認するのが確実です。
合わせて確認したいのが、外側に貼るのか室内側かという点と、貼れる期間(ワンシーズンか通年か)です。
貼ったまま夏を越すと日射条件が冬とはまったく変わるため、冬季限定をうたう製品を貼り続けるのは避けてください。
平滑・凹凸・網入りガラスで断熱シートが別製品になる理由
売り場に似た商品が何種類も並ぶのは、貼る面の状態と貼り方の相性で製品が分かれているからです。
ニトムズは霧吹きの水でガラスに密着させる水貼りタイプと、平滑ガラス用の粘着タイプを別に展開し、さらに凹凸(型板)ガラス用を専用品として用意しています。
水貼りは平らな面に吸い付かせる方式なので、片面がざらついた型板ガラスでは密着しません。
| ガラス | 見分け方 | 断熱シート選びでの扱い |
|---|---|---|
| 透明平滑ガラス | 両面つるつるで向こうがはっきり見える | 水貼り・粘着のどちらも選べる |
| 型板ガラス | 片面が梨地状でざらつく | 凹凸ガラス用の表示がある製品を選ぶ |
| 網入り・線入りガラス | 中に菱形・格子・縦線の金属が見える | 対応表示を製品ごとに確認する |
| 複層・Low-E複層ガラス | サッシ framework が厚く、ガラスが2枚見える | 使用不可とする製品が多い |
網入りガラスがやっかいなのは、表面は平滑でも不可とされる点です。
凹凸の有無で選ぶ表面の話と、熱割れで選ぶ内部構造の話が別だからで、「つるつるだから平滑ガラス用でいい」という読み替えはできません。
タイプ別の違いそのものは窓用断熱シートの比較で解説しています。
対応外のシートを貼ると、熱割れと剥がし跡の両方が残る
合わない製品を貼ったときの実害は2つの方向で出ます。
1つは熱割れで、ガラス交換は自分では直せず、賃貸なら管理会社への連絡と原状回復の相談になります。
メーカーが使用不可としているガラスに貼った結果であれば、補償の対象外と説明される可能性もあります。
もう1つは粘着跡です。
平滑ガラス用の粘着タイプを長期間貼ると、剥がすときに糊が残り、網入りガラスは強くこすれない部材でもあるため、除去に手間がかかります。
サイズ違いの失敗も起きます。
窓の高さより短いシートを1枚だけ貼ると、覆えていない上半分はそのまま冷えて水滴が垂れ、下端に貼ったシートの上に流れ込みます。
貼る前に、ガラス部分の縦横をサッシの内側で測っておいてください。
単位はcmで、シートの幅と長さ(m巻き)の表記と混同しないように、必要枚数まで計算しておくと買い直しを防げます。
窓に貼らない対策で、網入りガラスの冷気と結露を抑える
ガラス面に密着させないタイプを使う
結露吸水断熱パネルのように、窓の下部に立てて冷気を遮り、落ちてくる水滴を吸わせる製品があります。
ニトムズの結露吸水断熱パネルは吸着式で貼り直しできる作りです。
ただしガラス面に接する製品は、断熱シートと同じく対応ガラスの表示があるので、網入りガラスの扱いを確認してから使ってください。
窓枠側に立てて自立させるタイプなら、ガラスに何も付けずに冷気の流れ込みを弱められます。
カーテンとサッシのすきまで手当てする
ガラスに触らずに効果が出やすいのはカーテン側です。
丈の長い厚手のカーテンや、既存のカーテンに後付けする断熱カーテンライナーなら、窓と部屋の間に空気の層を作れます。
合わせて、サッシの召し合わせや引き違いの立て枠に生じたすきまを隙間テープの選び方で解説しているモヘアやEPDMパッキンで埋めると、冷気の吹き込みが減ります。
窓全体でどこから手をつけるかの順番は窓の寒さ対策の使い分けで解説しています。
よくある質問
網入りガラスと線入りガラスは同じものですか
金属が入っている点は同じですが、網入りガラスは菱形や格子状の金網を封入したもので、線入りガラスは縦線だけが入ったものです。
防火設備としての扱いは異なります。
断熱シートの対応表示では両方をまとめて「使用できないガラス」に挙げている製品が多いため、買う前の確認方法は同じと考えてください。
網入りガラスに貼れる断熱シートはありますか
製品によって可否が分かれるため、パッケージか公式サイトの「使用できるガラス」欄を1点ずつ確認してください。
網入りガラス可と明記された製品もありますし、貼る位置(ガラスの中央を避ける、外周に余白を残すなど)の条件が付いている場合もあります。
表示のない製品を可と判断するのは避けてください。
取扱いは店舗や時期で変わるので、店頭で見つからないときは通販の仕様表で条件に合うものを探すほうが早いです。
貼ったあとに熱割れしたら自分で直せますか
ガラス交換はガラス店やサッシ業者の作業で、自分での交換は避けてください。
網入りガラスは防火のために指定されている場合があり、同等品での交換が必要になることもあります。
持ち家ならガラス店、賃貸や分譲マンションの共用部に面する窓なら管理会社か管理組合に先に連絡してください。
まとめ
網入りガラスは中の金網で火災時の飛散を防ぐガラスで、断熱性は単板ガラスと同じ水準のため冬は冷えて結露します。
断熱シートを検討するときは、表面が平滑かどうかではなく、パッケージの「使用できないガラス」欄に網入りの記載があるかどうかで判断してください。
表示がない製品を可と読み替えると、熱割れで交換費用が発生する可能性が残ります。
貼れる製品が見つからない窓でも、窓際に立てるパネル、厚手のカーテンやライナー、サッシのすきま埋めという手が残っています。ぜひ本記事のガラス種別の対応表と表示の確認手順を参考に、自宅の窓に使える対策から順に試してください。





