フローリングのカビの取り方|ワックスを溶かさない方法
梅雨明けに家具を動かしたら、フローリングの一角に黒い点が広がっていた、という状態から手を付ける場合、最初にやることは掃除機がけでも水拭きでもありません。
乾いた雑巾で表面の汚れを取り、消毒用エタノールを含ませた布で押さえるように拭き取る、この順番です。
塩素系のカビ取り剤は次亜塩素酸ナトリウムが主成分で漂白力が強く、木目に沿って色が抜けたり、ワックス層が白く濁ったりします。
浴室の壁と同じ感覚で吹き付けると、カビは消えても床が別の色になって残ります。
本記事では、フローリングのカビ取りの基本手順・塩素系を使ったときに起きること・失敗したときの直し方・再発を止める湿気の抑え方を解説します。

すまいの四季 編集部
結露・すきま風・凍結・雪・雑草・虫・暑さ・台風まで、季節ごとの住まいの困りごとを市販のグッズで手当てする方法をまとめています。製品の仕様はメーカー公式と公的機関の情報で確認し、確認時点を添えて掲載しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
フローリングのカビ取りはエタノールの拭き取りから始める
用意するのは、消毒用エタノール、乾いた布を2枚以上、使い捨てのゴム手袋です。
窓と扉を開けて風の通り道を作ってから始めてください。
エタノールは揮発しやすく、閉め切った室内では蒸気がこもります。
手順
乾いた布で表面のホコリを取る
先に水拭きをすると、胞子が水と一緒に木目の溝へ流れ込みます。最初は必ず乾拭きです。
エタノールを布に含ませる
床へ直接スプレーすると液が板と板の継ぎ目に染み込み、下地を傷める原因になります。布側を湿らせて使ってください。
擦らずに押さえて拭く
擦ると胞子を周囲へ広げます。カビの範囲の外側から内側へ向かって、面で押さえるように動かします。
布の面を変えながら繰り返す
同じ面で拭き続けると、取ったカビをまた塗り広げます。汚れたら折り返して新しい面を出してください。
- 乾いた布で仕上げ拭きをする — 水分を残さないことがそのまま再発防止になります。
この方法で落ちるのは、ワックスや塗膜の表面に乗っているカビです。
フローリングのカビは表面に付いている段階なら乾拭きとエタノールで届きますが、木の内部まで根を張ると同じやり方では色が抜けません。
除湿剤の周りにカビが出たときの手当てとして、エステーは木材など柔らかい部分にはカビ取り剤を吹きかけて少し置いてから拭き取り、硬い部分はエタノールで拭く、いずれも強く擦らない、という手順を示しています。
フローリングは硬い塗膜で覆われているので、まずエタノール側から試す判断になります。
塩素系カビ取り剤をフローリングに吹くと色が抜ける
黒い点が消えないと、浴室用のカビ取り剤へ手が伸びます。
ここで起きるのは、カビの色と一緒に木の色が抜けることです。
塩素系カビ取り剤の主成分は次亜塩素酸ナトリウムで、成分を安定させるためアルカリ性にしてあるとジョンソンは説明しています。
漂白と分解の力は、タイルの目地のような無機質な素材を想定した強さです。
木目の濃淡は塗装と木そのものの色で出ているため、抜けた部分は元に戻せません。
被害が出やすいのはワックスを塗った床です。
塩素系の液がワックス層を侵すと、乾いたあとに白く曇ったムラが残ります。
この段階になると拭き掃除では直らず、その区画のワックスを剥離して塗り直す作業になります。
混ぜる危険も床で起きます。
「酸性タイプ まぜるな危険」の表示がある製品や食酢と混ざると、人体に有害な塩素ガスが発生します。
クエン酸で水垢を落とした直後の床へ塩素系を吹く、という順番が事故につながります。
塩素系のカビ取り剤は必ず単独で使い、別の洗剤を続けて使うなら水で充分に洗い流してからにしてください。
塩素系と非塩素系の違いはカビ取りスプレーの選び方で解説しています。
フローリングのカビ取りでよくある失敗と直し方
拭いた周りに黒い点が増えた
擦って拭いたときに起きます。
カビの胞子が布と一緒に横へ移動し、塗膜の細かい傷や継ぎ目に定着します。
直すには、広がった範囲より一回り外側まで含めて、面で押さえる拭き方をやり直してください。
布は使い捨てにして、そのまま洗濯機へ入れないでください。
拭いても黒い色が残る
塗膜の下、木の繊維までカビが入っている状態です。
表面のカビは取れているので、これ以上エタノールを重ねても色は変わりません。
塩素系で漂白すれば色は抜けますが、同時に木目の色も抜けます。
目立たない隅で試してから判断するか、その一枚の張り替えを検討することになります。
賃貸なら自己判断で薬剤を使う前に管理会社へ連絡してください。
拭いた跡が白く曇った
エタノールがワックス層を溶かした跡です。
曇りが薄ければ、その区画のワックスを塗り直すと目立たなくなります。
範囲が広いときは、部屋の一面単位で剥離と再塗布をしないと境目が残ります。
カビ臭さだけが消えない
見えている床面より、家具の裏や巾木(はばき)の際、押し入れの床板にカビが残っています。
床を拭いても臭いが戻るなら、家具を離して背面と床の接地面を確認してください。
カーペットを敷いているなら裏面も一緒に見ます。
畳やクッションフロアは手順そのものが変わるので、床のカビの取り方で解説しています。
フローリングのカビ取りに必要な道具と代用できるもの
| 道具 | 役割 | 代用と注意 |
|---|---|---|
| 消毒用エタノール | 表面のカビを拭き取る | 無水エタノールは揮発が速すぎるため、水で薄めて使う。塩素系との併用はしない |
| 乾いた布 | 乾拭きと仕上げ拭き | 使い捨てできる古布やペーパータオルで代用できる。最低2枚以上用意する |
| ゴム手袋 | 皮膚への付着を防ぐ | 使い捨ての薄手でよい。素手で塩素系を扱わない |
| 保護眼鏡 | 目を守る | 塩素系を使う場合は必須。ジョンソンは保護眼鏡やゴーグルの着用を求めている |
| 柄つきスポンジ | 高い所に液を塗る | 壁や天井など目線より上にはスプレーせず、柄つきスポンジに液を付けて塗る(ジョンソン) |
| 扇風機・除湿機 | 作業後に乾かす | 窓を2か所開けて風を通すだけでも代用できる |
塩素系を使うときの換気は、窓を1か所開けるだけでは足りません。
ジョンソンは換気扇と同時に窓やドアを2か所以上開けると効率が上がるとしています。
フローリングは横に広い面を一度に扱うので、部屋の対角にあたる2か所を開けて空気の流れを作ってください。
再発を止めるには床より湿気を先に抑える
拭き取りが終わっても、カビが生えた条件が残っていれば同じ場所にまた出ます。
フローリングでカビが出る位置には共通点があり、家具の裏、押し入れの床、北側の部屋の壁際、布団を敷きっぱなしにした場所です。
いずれも空気が動かず、床面と空気の温度差で水分が溜まります。
壁から家具を数センチ離す、押し入れの襖を時々開ける、といった風の通り道を作る工夫が土台になります。
そのうえで除湿剤を置く場合、塩化カルシウムのタイプは自身の重さの3〜4倍の水分を吸うため、クローゼットや押し入れのような広い空間に向くとエステーは説明しています。
有効期間はドライペット コンパクトで2〜4か月、ドライペット スキットで3〜6か月が目安で、季節や湿気の状態で変わります。
溜まった液体は塩化カルシウムの水溶液でアルカリ性なので、皮膚に付かないよう注意し、多量の水と一緒に流してシンクに成分を残さないでください。
金属に付いたままだと錆の原因になります。
布団やマットレスを床に直接敷いている場合、カビは床側だけでなく寝具の裏にも同時に出ています。
床を拭いても寝具が湿ったままなら翌週には戻ります。
寝具側の手当てはマットレスのカビの取り方で解説しています。
カーテンの裾が床に触れる窓際も同じ条件になりやすく、生地ごとの洗える・洗えないの判断はカーテンのカビの落とし方で解説しています。
よくある質問
カビキラーをフローリングに使ってもいいですか
製品の表示と使用方法に従ってください。
塩素系のカビ取り剤は次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする漂白力の強い製品で、木の色やワックス層まで脱色することがあります。
使う場合は目立たない隅で試し、他の洗剤と混ぜないでください。
掃除機でカビを吸い取ってもいいですか
吸い取った胞子が排気と一緒に部屋へ戻ります。
乾いた布で拭き取ってから、その布はそのまま捨ててください。
掃除機を使うのは、エタノールで拭いて乾いたあとにしてください。
重曹やクエン酸でフローリングのカビは落ちますか
重曹とクエン酸でカビが落ちるかどうかは、今回参照した資料には書かれていません。
ひとつ確かなのは、クエン酸や食酢は酸性で、塩素系カビ取り剤と混ざると有害な塩素ガスが発生することです。
塩素系を使う予定があるなら、酸性のものを先に使わないでください。
拭いたあとワックスは塗り直したほうがいいですか
エタノールで拭いた面がくもっている、または手触りがざらついているなら、ワックス層が傷んでいます。その区画だけ塗り直すと境目が線になって残るので、部屋の一面単位で剥離して塗り直すと均一になります。
100均のカビ取りジェルはフローリングに使えますか
ジェルタイプは液だれしにくい形状で、目地のような垂直面や狭い場所を想定した製品が中心です。
成分は塩素系のものが多く、木部への可否は製品の表示で確認してください。
向いている場所についてはダイソーのカビ取りジェルで解説しています。
まとめ
フローリングのカビ取りは、乾拭き、エタノールを含ませた布で押さえ拭き、仕上げの乾拭きという順番を守れば、表面のカビには届きます。
塩素系カビ取り剤は次亜塩素酸ナトリウムの漂白力が強く、カビの色と一緒に木目とワックスの色も抜けるため、木部へ向けるときは目立たない隅で試してから判断してください。
酸性のものと混ざると有害な塩素ガスが出るので、単独で使うことも変わりません。
拭き取りで黒い点が消えても、家具の裏や押し入れの床のように空気が動かない場所は、条件が同じままなら同じ場所にまた出ます。ぜひ本記事の手順と道具の一覧、除湿剤の使い分けを参考に、拭き取りと湿気の抑え方をひと続きの作業として進めてください。



