マットレスのカビの取り方|寝具を傷めない手順と乾かし方
マットレスを立てたら、床に接していた裏面に黒い点が広がっています。
表面はきれいなのに裏だけ真っ黒、というのはよくある現れ方です。
マットレスのカビは湿気が原因と一括りにされがちですが、実際は床に直置きした結露、汗が抜けない通気不良、部屋そのものの高湿度という3つの筋道があり、どれが主役かで手当ての順序が変わります。
裏面だけなのか全面に点在しているのかを見るだけでも、原因はかなり絞れます。
本記事では、マットレスのカビが生える3つの原因・自分でできる切り分け・原因別の手当てと効果が薄い方法を解説します。

すまいの四季 編集部
結露・すきま風・凍結・雪・雑草・虫・暑さ・台風まで、季節ごとの住まいの困りごとを市販のグッズで手当てする方法をまとめています。製品の仕様はメーカー公式と公的機関の情報で確認し、確認時点を添えて掲載しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
マットレスのカビが生える原因は主に3つ
カビは湿気と温度と栄養がそろうと育ちます。寝具の場合、温度と栄養(皮脂や汗の成分)は常にそろっているので、湿気がどこから来ているかを突き止めることが手当ての出発点になります。
床への直置きで裏面に結露が起きている
フローリングや畳に直接マットレスを置くと、裏面と床の間に空気の逃げ場がありません。
寝ているあいだの体温で温められた水分が、冷たい床面に触れて水滴になります。
朝マットレスを持ち上げたとき床が湿っている、または冷たく感じるなら、この結露が起きています。
黒い点が裏面の中央寄りに固まって出るのが特徴です。
すのこやベッドフレームの上でも通気が足りていない
ベッドフレームに載せていても、敷きっぱなしで一度も立てていないマットレスは裏面に湿気が残ります。
人は寝ているあいだに汗をかき、その水分はマットレスの内部を通って下へ抜けていきます。
抜けた先に空気が動いていなければ、そこで留まります。
すのこの桟(さん)が当たっている部分と当たっていない部分で、カビの出方が縞状に分かれていたら通気不足の側です。
部屋そのものの湿度が高い
北側の寝室、押し入れに接した壁際、洗濯物を部屋干ししている部屋では、空気全体が湿っています。
この場合はマットレスの裏面だけでなく、側面や壁に接していた面、同じ部屋のカーテンの裾や押し入れの中にも同じような黒い点が出ます。
マットレスだけを乾かしても、部屋の湿度が下がらないかぎり再発します。
どの原因かを見分ける手順
原因を切り分けるには、マットレスを壁に立てかけて、裏面と床の両方を同時に見てください。判断の材料は次の3点です。
| 観察されたこと | 考えられる原因 |
|---|---|
| 床が湿っている、または結露の跡がある。カビは裏面の中央寄りに集中 | 床への直置きによる結露 |
| 床は乾いている。カビが桟の間や縁に沿って縞状・帯状に出ている | フレーム上での通気不足 |
| マットレス以外(カーテンの裾、押し入れ、壁の下部)にも黒い点がある | 部屋全体の高湿度 |
複数が同時に当てはまることもあります。
直置きの部屋は空気の動きも悪いことが多く、結露と高湿度が重なっている状態です。
その場合は、影響の大きい直置きから先に手を打ってください。
カーテンの裾まで黒くなっている場合は、生地によって洗える洗えないが分かれるので、カーテンのカビの落とし方で洗濯表示の読み方と洗えない生地の手当てを解説しています。
原因別のマットレスのカビへの手当て
まず湿気の供給を止める
カビの除去より先に、湿気の元を断ちます。
直置きなら、すのこかベッドフレームを間に入れて床から離してください。
フレームに載せていて通気不足なら、週に一度はマットレスを壁に立てかけて裏面に風を当て、月に一度は上下や表裏を入れ替えます。
部屋全体が湿っているなら、換気と除湿を優先します。
エステーによれば塩化カルシウムの除湿剤は自身の重さの3〜4倍の水分を吸収し、クローゼットや押し入れのような広い空間に向くとされています。
寝室の押し入れが湿気の供給源になっている場合は、そちらに置くほうが道理にかないます。
表面のカビを取るときの注意
カビ取り剤の主成分である次亜塩素酸ナトリウムは、繊維の脱色や生地の傷みを起こすことがあります。
塩素系の製品は「酸性タイプ まぜるな危険」の表示がある製品や食酢と混ざると有害な塩素ガスが発生するため、必ず単独で使い、戸や窓を2か所以上開けて換気してください(ジョンソン)。
ただし寝具への使用可否はメーカーの表示に委ねられているので、マットレスの取扱表示とカビ取り剤の表示の両方を確認してから判断します。
素材ごとに使えるかどうかはマットレスにカビ取りスプレーは使える?素材別の可否と手順で解説しています。
拭き取ったあとに完全に乾かす
水分を含んだまま元に戻すと、同じ場所から再発します。
拭いた面を風の通る場所に立てかけ、扇風機やサーキュレーターで風を当ててください。
中まで乾いたかどうかは、手のひらを当てて冷たさが残っていないかで判断します。
黒ずみが落ちても生地が冷たいうちは、内部に水分が残っています。
やっても効果が薄い対処
検索するとよく出てくる方法のうち、期待するほどの結果にならないものがあります。
消毒用エタノールを吹きかけるだけ
エステーは硬い部分のカビをエタノールで拭く方法を案内していますが、これは拭き取りとセットです。吹きかけて放置すると表面の菌には作用しても、黒い色素は残り、マットレス内部まで浸透した菌糸には届きません。
天日干しだけで済ませる
乾燥は湿気の解消になりますが、すでに繊維に入った黒い色素は日光では抜けません。再発予防としては有効で、除去としては不十分です。
掃除機で吸う
表面の胞子は多少減りますが、排気で部屋に胞子を撒き散らす形になります。カビの除去手段としては数えないほうがよいでしょう。
- 上に敷きパッドを重ねて隠す — 湿気の逃げ道がさらに減り、状態が進みます。
いずれも「やってはいけない」というより、これだけで終わらせると原因が残るという話です。湿気の供給を止める工程と組み合わせてはじめて意味を持ちます。
手当てしても直らないときに考えること
拭き取っても数週間で同じ場所に黒い点が戻る場合、内部まで菌糸が入り込んでいるか、湿気の供給が止まっていないかのどちらかです。
マットレスを立てて裏面を見たとき、黒い点が繊維の奥で滲んだように広がっていれば、表面を拭いても届きません。
カバーを外せる構造なら中材の状態も確認してください。
低反発ウレタンや高反発ウレタンの芯材は水洗いができず、内部に入った菌をすべて取り除く手段が家庭にはありません。
この場合は買い替えを検討する場面になります。
判断の線引きは面積と再発回数で考えることになり、マットレスのカビはどこから買い替えかで目安を解説しています。
なお、カビの生えた寝室で寝ていて咳やくしゃみ、鼻づまり、肌のかゆみが続く場合は、自分で判断せず医療機関に相談してください。カビと症状の関係は個人差が大きく、市販品での手当てで解決できるものではありません。
マットレスのカビを繰り返さないための使い方
次に同じことを起こさないために押さえるのは、床から離すことと、定期的に裏面へ風を通すことの2点です。
すのこベッドやローベッドに替えるのがいちばん確実な手ですが、住環境の都合で直置きを続けるなら、朝起きたらマットレスを二つ折りにして壁に立てかける習慣を作ってください。
それだけでも裏面に空気が当たる時間が生まれます。
マットレスを新調する場合は、側面にメッシュの通気口がある製品や、カバーを外して洗える構造の製品を選ぶと、湿気が抜けやすくなり手入れもしやすくなります。三つ折りタイプは折り目から風が入るので、毎日立てかける使い方と相性がよい形です。
床側もあわせて確認してください。
マットレスの下のフローリングに黒ずみが残っていることがあり、ワックス層を溶かさない手順で落とす必要があります。
フローリングのカビの取り方でワックスを傷めない拭き方を解説しています。
畳やクッションフロアの場合は手順が変わるので、床のカビの取り方のほうが当てはまります。
よくある質問
マットレスのカビに漂白剤を使ってもいいですか
製品の表示次第です。
塩素系の漂白剤やカビ取り剤は次亜塩素酸ナトリウムが主成分で、繊維の脱色や生地の傷みが起きることがあります。
寝具に使えるかどうかはメーカーが表示で示しているので、マットレス側の取扱表示と薬剤側の使用可能な場所の記載を両方見てから決めてください。
使う場合は他の洗剤と混ぜず、換気をしながら作業します。
すのこを敷いていればカビは生えませんか
生えないとは言えません。
すのこは床とマットレスの間に隙間を作るもので、空気が動かなければ湿気はそこに留まります。
敷きっぱなしにせず、定期的にマットレスを立てて裏面へ風を当ててください。
桟の当たる位置に沿ってカビが縞状に出ている場合は、すのこを使っていても通気が足りていない状態です。
カビ取り用のジェルをマットレスに使えますか
ジェルタイプは目地やゴムパッキンのように、液が流れてしまう硬い面へ留めるために作られた形状です。
繊維に塗ると奥まで入り込み、すすげないため成分が残ります。
マットレスへの使用はメーカーが想定していないことが多く、表示を確認してください。
ジェルが向く場所についてはダイソーのカビ取りジェルは使える?向いている場所と注意点で解説しています。
まとめ
マットレスのカビは、床への直置きによる結露・敷きっぱなしによる通気不足・部屋そのものの高湿度のどれが主役かで、打つ手が変わります。
カビを拭き取る作業より先に、マットレスを立てて裏面と床を同時に見て、湿気がどこから来ているかを確かめてください。
除去だけを繰り返しても、供給源が残っていればまた同じ場所に出ます。
薬剤を使うときは、マットレス側とカビ取り剤側の両方の表示を照らし合わせてから判断し、拭いたあとは風を当てて中まで乾かします。
落ちない黒ずみが繊維の奥まで滲んでいるなら、家庭でできることの範囲を超えています。
ぜひ本記事の見分け方の表と原因別の手当てを参考に、まずご自身のマットレスがどのタイプかを確かめてから、手を付ける順番を決めてください。



