家の台風対策まとめ|窓・ベランダ・停電・浸水への備え

台風が接近するというニュースが出てから、ホームセンターの季節用品コーナーへ行くと、養生テープと土のうの棚が空になっていることがあります。
台風対策のグッズは、暴風・飛来物・雨水の浸入・停電という4つの被害に対してそれぞれ別の道具を使うため、まとめて1つで済ませられるものがありません。
窓の飛散防止フィルムは水を止めませんし、日水化学工業のアクアブロックのような吸水性土のうは水に浸すと約3分で約20kgになる代わりに、事前に水へ浸す場所と時間が必要です。
本記事では、台風対策の道具が被害の種類ごとに分かれる理由・場所別のタイプ分け・実寸と必要量の見積もり方・買うタイミングを解説します。

すまいの四季 編集部
結露・すきま風・凍結・雪・雑草・虫・暑さ・台風まで、季節ごとの住まいの困りごとを市販のグッズで手当てする方法をまとめています。製品の仕様はメーカー公式と公的機関の情報で確認し、確認時点を添えて掲載しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
台風対策とは、暴風・飛来物・浸水・停電を別々に手当てすること
「台風対策」という一語でまとめて語られますが、実際に家で起きる被害は性質の違う4つに分かれます。強い風そのものによる被害(屋外の物が飛ぶ、雨戸やシャッターのない窓に風圧がかかる)、飛んできた物がガラスを割る被害、雨水が敷地や建物へ入り込む浸水被害、そして電気が止まることによる生活の停止です。
この4つはそれぞれ別の道具で手当てします。
ベランダの物を室内へ入れるのは風の被害への対処で、窓に貼るフィルムは飛来物への対処、止水板や土のうは浸水への対処、ポータブル電源やランタンは停電への対処です。
1つの商品が他の被害までカバーすることはほとんどありません。
混同されやすいのは「窓対策」です。
飛散防止フィルムはガラスが割れたときに破片が飛び散るのを抑える製品で、ガラスが割れないようにする製品ではありません。
一方で雨戸やシャッター、ポリカーボネートの板を外側から当てる方法は、飛来物がガラスに届く前に受け止める考え方です。
どちらを選ぶかで、買うものも作業の手間も変わります。
台風の窓ガラス対策では、飛散防止フィルムと養生テープの貼り方の違いまで解説しています。
浸水対策と暴風対策で、道具の「間に合う時間」が違う
4つの被害を並べたとき、準備にかかる時間がいちばん長いのは浸水対策です。
止水板は設置する開口部の幅を測り、その寸法に合う製品を手配する必要があります。
土のうも、砂入りのものは砂の入手と詰める作業、吸水タイプは水に浸す作業が前提で、台風が来てから思いついても間に合いません。
反対に、暴風対策のうちベランダの片付けは道具がなくてもできます。
植木鉢・物干し竿・サンダル・ゴミ箱を室内へ入れるだけで、飛来物になる物を減らせます。
買い物が要らない対策から先に済ませ、買い物が必要な対策は台風シーズンの前に手を付けるのが現実的な順番です。
時間がかかる順に並べると準備の優先度が決まる
| 被害の種類 | 主な道具 | 準備にかかる時間の目安 |
|---|---|---|
| 浸水 | 止水板、土のう(砂入り・吸水) | 寸法の確認と手配で数日〜。吸水タイプは浸水作業も要る |
| 飛来物 | 飛散防止フィルム、ポリカ板、雨戸 | フィルムは窓ごとに貼るので半日規模 |
| 停電 | ポータブル電源、ランタン、乾電池 | 充電が必要なため前日までに満充電にする |
| 暴風 | 片付けと固定(道具は不要な場合が多い) | 前日〜当日午前で間に合う |
この表の下2行は当日でも動けますが、上2行は台風の進路が確定してから買いに行くと店頭で見つからないことがあります。
台風対策グッズをタイプ別に分けると、選ぶべき人が見えてくる
浸水を止めるタイプ(止水板・土のう)
玄関や駐車場、半地下の入口など、地面より低い開口部がある家に向きます。
過去に道路の水が敷地へ流れ込んだ経験がある場所、雨水の排水口が近くにない場所も同じです。
止水板は決まった開口部に繰り返し使えるかたち、土のうは形を問わず積めるかたちで、狭い1カ所なら止水板、複数箇所や不定形な場所なら土のうという分け方になります。
吸水性土のうは、日水化学工業のアクアブロックが高吸水ポリマーと麻繊維を使った製品として公式に情報を公開していて、水に浸すと約3分で約20kgの土のうになるとしています。
使う前は薄く軽いため、収納場所を取りにくいという性質があります。
海水に対応したシリーズと、使用後に水を抜く脱水剤も用意されています。
家庭用の止水板は必要?では、簡易タイプと代用方法、水位の目安まで解説しています。
積み方に迷う場合は土のうの積み方と使い方で吸水タイプと砂入りの使い分けを解説しています。
窓を守るタイプ(飛散防止フィルム・板・養生テープ)
雨戸やシャッターのない窓がある家、とくに大きな引き違い窓やベランダに面した窓がある家に向きます。
飛散防止フィルムは平滑なガラス面に貼る前提の製品が多く、型板ガラス(凹凸のあるガラス)や網入りガラスでは対応が製品ごとに異なります。
網入りガラス・複層ガラス・真空ガラスは熱割れの恐れがあるため、貼れるかどうかを製品のパッケージや説明書で必ず確認してください。
停電に備えるタイプ(ポータブル電源・ランタン・電池)
マンションの高層階で断水も同時に起きうる家、在宅で医療機器を使っている家、乳児がいる家では優先度が上がります。
スマートフォンの充電だけならモバイルバッテリーで足りますが、扇風機や小型冷蔵庫まで動かしたいならポータブル電源の容量表示を見て選ぶことになります。
停電対策グッズの備え方では、ポータブル電源とランタンの選び方を解説しています。
屋外の物を固定するタイプ(ロープ・固定バンド・カバー)
室内へ入れられない大きな物がある家に向きます。
室外機カバー、大型のプランター、物置などです。
ただし固定したから安全とは言えず、飛ぶ可能性のある物は動かすほうが確実です。
台風前のベランダ対策では、飛ばされやすい物と室内へ退避させる基準を解説しています。
台風対策で買う前に測るのは、開口部の幅と高さの2カ所
止水板を検討するなら、玄関や駐車場の開口部の幅を内側から内側まで測ってください。
止水板は左右の壁や柱に押し当てて水を止める構造のため、幅が合わないと隙間から水が回ります。
高さは、過去に水が来た位置か、道路面から敷地の地盤までの段差を基準に考えます。
窓にフィルムを貼るなら、ガラス1枚ごとの縦横を測ります。
サッシの枠の外形ではなく、ガラスが見えている部分の寸法です。
引き違い窓は1枚が思ったより小さいことがあり、必要な枚数とロール幅の関係で買う量が変わります。
土のうの必要量は、止めたい幅と積みたい高さから逆算します。
幅1mの出入口を2段の高さでふさぐなら、1段に並べる袋数を2倍することになり、たいてい想定より多くなります。
吸水タイプは水に浸す容器と時間も要るので、袋数が増えるほど作業場所の確保が課題になります。
賃貸で使える台風対策と、使いにくい台風対策
賃貸で気にするのは、粘着物を貼った跡と、共用部に物を置くことの2点です。
窓の内側に貼る飛散防止フィルムは、剥がしたあとに糊が残ることがあります。
ガラス面に残った糊は専用のクリーナーで落とせる場合がありますが、サッシのゴムパッキンや塗装面に粘着剤が付くと跡が残りやすいので、貼る範囲をガラス面の内側に収めてください。
養生テープを窓ガラスに貼る方法は、台風の前に広く行われていますが、長く貼ったまま日光を受けると粘着剤が変質して剥がしにくくなります。台風が過ぎたら早めに剥がすのが前提の方法です。
ベランダや玄関前の廊下は共用部にあたることが多く、土のうや止水板を常設できない場合があります。
この場合は、平らに畳んで室内に保管できる吸水タイプの土のうや、使うときだけ設置する簡易の止水シートが選びやすくなります。
管理規約で屋外に設置できるものが制限されている場合は、管理会社に確認してください。
台風シーズンの前に買うものと、当日でも間に合うもの
台風の接近がニュースになると、養生テープ・乾電池・懐中電灯・飲料水・カセットコンロのガスが売り場から減ります。
止水板や吸水土のうのように取扱店が限られる物は、シーズン前に用意しておくほうが確実です。
取扱いは店舗や時期によって変わるので、在庫を前提にした計画は立てないでください。
当日でも動ける対策として、ベランダと庭の片付け、窓の内側にカーテンを閉めてガラスの破片が室内へ飛ぶのを抑えること、浴槽に水を張って生活用水を確保すること、ポータブル電源やモバイルバッテリーを満充電にすることがあります。どれも買い物が要りません。
買い物が必要な対策のうち、優先順位が高いのは自分の家で起きやすい被害に対応するものです。過去に浸水したことがない高台の戸建てで止水板を急ぐ理由は薄く、反対に半地下のガレージがある家では止水板のほうが窓フィルムより先になります。
台風のあとに残る作業を、買うときから想定しておく
台風が過ぎたあとにやることが多いのは、貼った物を剥がす作業と、濡れた物の処理です。
養生テープは前述のとおり早めに剥がしてください。
砂入りの土のうは水を吸って重くなり、ぬれたままでは運びにくくなります。
吸水性土のうは使用後に水を抜く脱水剤が用意されている製品もあり、処分方法は自治体の区分に従うことになります。
飛散防止フィルムは、割れたときの飛び散りを抑える目的で貼るものなので、シーズンごとに剥がす前提の製品ではありません。製品によって耐用年数の表示があるため、パッケージの記載を確認したうえで、劣化して端が浮いてきたら貼り替えを検討してください。
屋根に上がって瓦や雨どいを点検する作業は、転落の危険があるため自分でやらないでください。破損が疑われる場合は、地上から見える範囲で写真を撮り、屋根工事の業者や保険会社に相談する手順になります。
よくある質問
窓に養生テープを貼れば台風でガラスは割れませんか
割れなくなるわけではありません。
養生テープはガラスが割れたときに破片が大きく飛ぶのを抑える目的で使われる方法で、飛来物の衝撃そのものを止める強度はありません。
飛来物を受け止めたいなら、雨戸やシャッターを閉める、外側にポリカーボネートの板を当てるといった物理的に遮る方法のほうが目的に合います。
飛散防止フィルムはどの窓にも貼れますか
貼れない窓があります。
網入りガラス・複層ガラス・真空ガラスは、フィルムを貼ることで熱がこもり熱割れを起こす恐れがあるため、対応外としている製品が多いです。
また型板ガラスのように表面に凹凸があるガラスは、平滑ガラス用のフィルムが密着しません。
購入前に自宅のガラスの種類を確認し、製品の対応表記と照らし合わせてください。
土のうは砂入りと吸水タイプのどちらがよいですか
保管場所と、水が来るまでの時間で選び分けます。
吸水タイプは使う前が薄く軽いため収納しやすい代わりに、水に浸す作業と場所が必要です。
砂入りは詰める手間と重さがありますが、水がない場所でもすぐ積めます。
マンションで収納が限られる場合は吸水タイプ、庭や倉庫に置ける戸建てで砂が手配できる場合は砂入りという考え方になります。
停電に備えるなら、ポータブル電源とモバイルバッテリーのどちらが必要ですか
動かしたい物で決まります。
スマートフォンと携帯ラジオだけならモバイルバッテリーで足ります。
扇風機やノートパソコン、小型の家電まで使いたい場合は、コンセント出力のあるポータブル電源が必要です。
どちらも台風が近づく前に満充電にしておかないと、いざというときに残量が足りません。
台風対策と暑さ対策のグッズは兼用できますか
兼用は難しいです。
ベランダに設置するシェードやすだれは風をはらむため、台風の前には外して室内へ入れる物にあたります。
窓に貼る遮熱フィルムも、飛散防止をうたっていない製品は破片の飛び散りを抑える性能がありません。
夏の窓まわりの対策は窓の暑さ対策まとめでシェード・すだれ・フィルムの使い分けを解説しています。
まとめ
台風対策のグッズが1つにまとまらないのは、暴風・飛来物・浸水・停電という性質の違う被害に、それぞれ別の道具で当たる必要があるからです。自分の家でいちばん起きやすい被害から手を付けるのが順番で、半地下や道路より低い敷地なら止水と土のう、雨戸のない大きな窓があるなら窓まわり、高層階や在宅医療がある家なら停電への備えが先になります。
買い物が要らない対策(ベランダの片付け、浴槽への水張り、機器の充電)は当日でも動けますが、寸法を測って手配する止水板や、水に浸す時間が必要な吸水土のうは、台風の進路が決まってからでは間に合いません。ぜひ本記事の準備時間の比較表とタイプ別の向き不向きを参考に、自宅の開口部を一度測ってから必要な物を決めてください。





